病院の入っているテナントビルの2階にすずめが落ちていると連絡を受けました。野鳥の保護には慎重な判断が必要ですが、体を起こすことができなかったので、明らかに放置できない状態と判断し、収容しました。
暗い部屋で保温処置をして様子を見ましたが、元気は出てきたものの半日経ってもきちんと飛ぶことができなかったので、当日の放鳥は見送りました。また、すずめはヒナの時期を過ぎると人から与えられた餌は食べないことを知っていましたが、一応餌を入れて様子を見ました。
翌日になりましたが、元気はあるものの餌は全く食べていません。これ以上は当院では難しいと判断し、神奈川県自然環境保全センターに受け入れて頂きました。
診ていただいた先生の判断では、恐らくガラス戸への衝突ではないかとのことでした。強制給餌をしながら回復を待つとのこと。ただ、この時期は野鳥の保護事案が非常に多く、この日はすずめだけでも5羽収容されていました。仕事とはいえ、その後の治療や世話をお願いする事を大変申し訳なく思いながら、帰院しました。
今回のすずめは保護対象になると判断され、収容していただきましたが(保護が必要ないと判断されると、元の場所に戻すよう指示される場合もあるとのこと。)、春先の野鳥のヒナの保護は慎重に行うべきとのこと。子猫の保護も同じことが言えますが、誘拐にならないよう、注意したいものです。
6/23追記
神奈川県自然環境保全センターでは、施設の適正収容可能数を超えたため、6/22より新規の傷病鳥獣受け入れは一時休止されているそうです。