猫の糖尿病は、高血糖が持続した結果として尿に糖が排泄される病気です。膵臓から分泌されるホルモン(インスリン)の効果が低下する場合とインスリンの分泌自体が低下する場合とが原因として考えられます。
高血糖が続くため、「水をすごく飲む」や「尿の色が薄い」「食欲がすごいのに痩せてきた」などの症状で来院されるケースが多いです。
糖尿病の診断は非常に単純です。「異常に食べる、水を飲む」などの典型的な糖尿病症状があり、空腹時血糖が350mg/dL以上、尿糖の出現があれば診断されます。つまり、怪しい症状があれば、簡単な血液検査と尿検査ですぐ診断がつく病気なのです。
そして、糖尿病と診断された場合、食事療法を行うと共にインスリンの1日2回投与を行うことになります。まずは決まった量の食事を食べて、決まった量のインスリンを注射した後の血糖値の変化を確認(血糖曲線ーインスリンの効果をグラフにしたもの)し、インスリンの投与量を決定します。
動物病院内でも食事を普通に食べられたり、採血に協力的な猫の場合は、原因が複雑でなければインスリンの投与量の決定はさほど難しくありません。しかし、「病院内ではご飯を食べない」、「採血に抵抗する」、といった猫の場合、血糖曲線の作成は困難になります。また特殊な基礎疾患による血糖コントロールの困難もまれに存在するので、様々な要因により、血糖コントロールが良好でないケースは存在します。
当院では猫ちゃんの性格に合わせ、食事の給与方法や採血法を検討し、無理なくインスリンの投与量を決定できるよう配慮しています。また、連続血糖測定装置を使用した血糖コントロールにも対応しておりますので、猫ちゃんの血糖コントロールに不安をお持ちの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。